100均商品で五徳を自作 アルスト・固形燃料用のULなゴトクが4つできた(その3)ダイソーのザル製 超軽量ULゴトク
100均商品を加工することで、アルコールストーブと固形燃料用の五徳を4種類自作することが出来ました。
自作五徳を作ることになった経緯と1種類目の自作五徳については前回までの記事をご覧ください。
また、同じ内容の動画はこちらです。
【自作した4種類のゴトク】
①絶対壊れないステンレス・シンプル五徳 風防にもなるかもねゴトク
②シンプル堅実で使い勝手よさそうなメッシュ&ワイヤー五徳(アルスト用)
③シンプル堅実で使い勝手よさそうなメッシュ&ワイヤー五徳(固形燃料用)
④超UL(ウルトラライト)軽量なザルのワイヤーフレームそのまま五徳
今回、ご紹介するのは最後の④のダイソーのザルのワイヤーフレームのみを利用した超軽量ULゴトク。
製作した4種の五徳の中でも最も軽量で、まさにUL(ウルトラライト)というにふさわしい一品となりました。また、安定性もまずまずで実用可能と判断しています。
超UL(ウルトラライト)軽量なザルのワイヤーフレームそのまま五徳
【材料】ダイソー 収納便利なザル
今回の自作五徳で使用するダイソー商品はこちら
「収納便利なザル」という名の取っ手が折りたためるただのザルである
ちなみに150円商品である。
最初、写真のように単にアルコールストーブをそのまま置くだけでも、「取っ手を取り外せばそのままゴトクとして使えるんじゃないか?」とか一瞬考えたが、それはさすがに見た目がただのザルなのでやめておいた。
このザルで使えそうだなと思ったのは、網を支えるワイヤー部分だ。
ザルをひっくり返すと何となくこのワイヤー形状が、五徳のように見えてきたので「ひょっとするとこのまま使えるかも?」と思いチョイスした。
また、網も何かしらうまく使えるのではないかと思ったが、結果的にはサイズとつくり的にうまく使えなかった。
【加工】ワイヤーを枠からうまくはずす
それでは商品の加工に入りたいと思う。
と言っても、今回も前回同様ほぼダイソー商品をばらすだけである。
ただ、今回はちょっと苦戦した。
網とワイヤーを留めている枠をうまく取り外せれば、簡単に分解できると踏んで、枠を壊しにかかったが結構頑丈でニッパーで切ったり、ペンチでひん曲げたりして格闘してやっと一部を切断することが出来た。
だが、切断した枠の部分以外は依然として、網やワイヤーは固定されたままであり容易には外れなかった。
結局のところ、ワイヤーは枠に引っかかっているだけなので、うまく角度を変えてやると簡単にはずすことが出来た。
一方で、網は引っ張ったり、はさみでカットしたりしてはずした。
ここからはテキストと画像ではうまく説明できないので、気になる方は動画を観てほしい。
【使用】スノピのチタンマグ450をのせてみる
何とかザルを支えるワイヤーフレームの取り出しに成功した。
ちょっと開き具合を調整してやったら、何の加工もしていないのに既に立派なゴトク感がある。
一方で、網も分離することはできたがこっちは使い道がなさそうだ。
ザルのワイヤーフレームだけ使うのは何かぜいたくな気分だ。
さて、ワイヤーフレームの五徳に、さっそく水を入れたスノーピーク(snow peak) チタン シングルマグ450をのせてみた。
重量に耐えられるかということが不安だったが、意外と安定感がある。
柔らかい針金のように「ふにゃふにゃ」するという感じはない。
次に500mlの水を入れたクッカーを載せてみた。こちらはさすがにのせるとき少しぐらついたが、手を離せば安定してくれる。
これは案外使えるかもしれない。
さらに、収納形態も思いついた。
折りたたんでダブルクリップで開かないように固定することで、コンパクトにできることが分かった。なんかのヒモでもいいかもしれないが、開く力が割とあるので、固定するには丈夫なものでないといけない。輪ゴムは無理。
次に、燃焼試験をする前に重量を計測しておいた。
なんと本体重量は驚異の軽さ7gであった。
折り畳み用のダブルクリップを足してもわずか13gという軽量さである。
これは堂々とUL(ウルトラライト)といっていいレベルだろう。
もともと軽量なチタンアルコールストーブとチタンマグと一緒に使うのにふさわしい軽さである。
また、固形燃料と一緒に使っても、燃料の軽さを最大限生かすことができる。
【燃焼試験】ワイヤーの溶接部分が気になるが...
さて、気になるのはその耐久性である。
実際にアルコールストーブの炎にさらしてみて耐久するかが問題だ。
特にワイヤーフレームの十字になっている溶接部分が加熱された際にどうなるか。強度が落ちないかという点が非常に不安である。
実際に一度、燃焼試験を実施することにしたい。
使用するアルコールストーブは、EVERNEWのアルコールストーブである。
アルコールストーブに点火して、炎が上がり始めると、すぐにワイヤーフレームの中央の十字部分が過熱されて赤くなり始めた。
「おっと、大丈夫かこれは?」と不安になるが、スノピチタンマグ450をのせてお湯を沸かし始める。
お湯は数分で沸いた。
五徳の高さが絶妙で、EVERNEWのアルコールストーブの炎が最も強い部分がチタンマグの底にちょうどあたっている。
以前もっていたEVERNEWの純正チタンゴトクよりも、むしろちょうどいい高さである。
なので、お湯の沸くのも早かった。
さて、一応はワイヤーフレームゴトクは炎に耐えたようだが、すぐに異常はないかチェックした。
特に中央の十字の溶接部分に力を加えてみたり、引っ張ってみたりしたが、すぐにポロっとはずれてしまうようなことはなかった。
また、グラつきなどもなく強度には変化がないようである。
まぁ一度のテストで耐久性測れないが、実地で実用することができそうだ。
【評価】超軽量ULなのに100均という素晴らしさ
私が100均ダイソー商品で製作した4種類の五徳のなかでは、このゴトクが最も実際に使ってみたい五徳である。
なぜならば、とにかく軽量・コンパクトであるということが大きい。
私はソロ登山が多いので、できるだけ装備は軽量化したい。
軽量化して身軽に山を楽しみたいと思っている。
このゴトクは、折り畳み時の固定用のクリップを合わせても13gという軽量さである。他の自作した五徳が40g~50g台だったのに対して、一つ抜きんでている。
そして、見た目もシンプルでカッコいいと思う。
まさに「ガレージ系UL商品」といった趣なのがイイ!
きっと誰もこれが100均のザルからできたとは思わないだろう。
ただ、唯一の気がかりは、十字部の溶接部分である。
一度は熱に耐えたとしても、何回か過熱と冷却を繰り返すうちに強度が落ちて割れないとも限らない。
問題はそれがどれくらい持つのかということである。
こればっかりは使ってみないとわからないので、これから実際にフィールドで検証してゆきたいと思う。
↓その他の自作ゴトク
五徳の自作をまとめた動画