ケイマイちゃんねる

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100均商品で五徳を自作 アルスト・固形燃料用のULなゴトクが4つできた(その1)ステンレス板ゴトク

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EVERNEWのアルコールストーブ用の純正チタン五徳をなくしてしまいました。軽くて小さくてバラバラで、さもなくしやすそうなゴトク。


エバニュー(EVERNEW) チタンゴトク TriveTi EBY258

気が付いたら見つかりません。どっかに落としてしまったかもしれません。もしかしたら、家のどこかで何かの隙間に挟まっているのかもしれませんがどうにも見つかりません。

チタン製ゴトクは”単なる五徳”にしては高いので、もう買う気にはなれません。 そこで私は100均商品で五徳を自作することにしました。

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EVERNEWチタンアルストは五徳がなくても使えるが...やはり火力が弱い

自作ゴトクならば、もしかしたら純正チタン五徳よりもよりULな超軽量ゴトクを作成することができるかもしれません。

また、私がソロテント泊でいつもバックアップとして携行している固形燃料用の軽量な五徳も兼ねられるものができればいいなという期待もありました。

固形燃料は、Esbit(エスビット) ポケットストーブを持ち歩いていますが、ケース兼ゴトクはスチール製で88gと結構重いんですよね。これでは固形燃料自体の軽量性が活かせていないのです。

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エスビットポケットストーブの五徳は結構重い(88g)

「自作」といえば、いろいろと凝った加工をして作っている方がいらっしゃいますが、今回作った五徳はほぼ100均の商品をばらしただけでできました。

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ダイソーで買ってきた自作ゴトクに使えそうな商品

結果的に4種類の自作五徳が出来ました。

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100均商品から4種類の五徳を自作できた

それぞれに名前を付けやりました(長い...)

①絶対壊れないステンレス・シンプル五徳 風防にもなるかもねゴトク

②シンプル堅実で使い勝手よさそうなメッシュ&ワイヤー五徳(アルスト用)

③シンプル堅実で使い勝手よさそうなメッシュ&ワイヤー五徳(固形燃料用)

④超UL(ウルトラライト)軽量なザルのワイヤーフレームそのまま五徳

どれも一長一短ありますが、全て実用可能と思います。 全てを一度に紹介すると長くなってしまうので、一つずつご紹介したいと思います。 今回はこの4種のうち①番のゴトクをご紹介します。

ちなみにこの記事と同じ内容の動画もあります。というか動画を作ってからこのブログ記事を書いています。作り方はなかなか動画の方がわかりやすいかもしれません。

youtu.be

①絶対壊れないステンレス・シンプル五徳 風防にもなるかもねゴトク

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【材料】ダイソー かき揚げ用わく

ひとつ目の自作五徳用にチョイスした商品はこいつ。

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かき揚げづくりにつかうステンレス板でできたわく

かき揚げ用リング」と書いてある。かき揚げを揚げるときに型崩れしないようにするための枠だろう。

この商品を選んだのは、輪になっている部分のサイズがEVERNEWのアルコールストーブにちょうどよさそうだったからである。 そして、丸い穴がいくつも空いているので、エアーが供給されアルコールストーブが窒息しなそうなのもポイントだ。

不安な点は、持った感じずっしりした印象がある。まぁただのステンレス板だから仕方ないが、ちょっと重いかもしれない。

【加工】取っ手をはずすだけ

「作った」といっても実際のところは取っ手をはずしただけである。 取っ手の部分を何度もグイグイ曲げたり力を加えていたら、簡単に外れた。 さすがの100均クオリティである。

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取っ手をはずすとこのような状態にできる

取っ手を外すと画像のように単なる穴の開いたステンレス板と化す。シンプルな構造で、壊れるということがないのが良さそうだ。

使うときは丸めて、収納の際は広げていたにすればパッキングがしやすいかもしれない。重量も50gとまずまずである。少なくともEsbit(エスビット) ポケットストーブより軽い。

【使用】スノピのチタンマグ450をのせてみる

さて、簡単に加工もできて、割と軽量だったこのゴトクであるが、スノーピーク(snow peak) チタン シングルマグ試しに置いてみたところ問題が発生した

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スノピチタンマグ450を置いてみると...つるつる滑って安定しない!

つるつる滑って安定しないのである。 どうやらリングのサイズが、少しだけスノピチタンマグ450より広いようだ。

もちろん普通のクッカーであれば問題ないのだが、軽量なアルコールストーブや固形燃料は、やはりスノピチタンマグ450と組み合わせたい。

どうにかならないかといろいろと試してみる。

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最終的にダブルクリップを使うという解決策を見つけた

最終的に見出した解決策がこれである。 事務用のダブルクリップを二つか三つステンレス板につけることで、スノピチタンマグ450も安定して載せることができるようになった。

【燃焼試験】サイドバーナー状態あふれる炎

さて、スノピチタンマグ450が載せられるようになったので、さっそく実際に火を起こして使ってみた。

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チタンマグの横を一番上まで炎が伝ってしまっている

結論から言うと、これはダメだなと思った。

ステンレス板をアルコールストーブと同じサイズにまで丸めてしまっているので、アルコールストーブの炎の形状が乱されてしまうようだ。それどころか、ステンレス板の穴から炎があふれ出てしまっている

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あふれ出た炎はチタンマグに当たっていないのでムダになっている

本来の燃焼を阻害してしまっているような気がするし、チタンマグの底にあたっていない炎のエネルギーは無駄になってしまっていると思われるので、燃焼効率的によろしくないように思われる。

どうやら、スノピチタンマグ450をのせる五徳としてはよろしくないようだ

だが、アルコールストーブの炎が当たらい大きさにステンレス板を丸めれば問題はない。普通のクッカーでの使用であれば実用性ありか。

【評価】スノピチタンマグに使えないのが残念だが実用可能

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アルコールストーブの炎にあたらないくらい大きく丸めれれば使えるか

ひとつ目の100均自作ゴトクの評価をしたい。

このゴトクは加工(というか解体)が容易で、割と軽量かつシンプルな構造で壊れるということがない点は評価に値すると思う。

さらに、収納時も広げたり、折りたたんだり、円筒状のものに沿わせたりなど困らないように感じる。

だが、とにかく残念なのがスノピチタンマグ450に使えないことである。いや、使えないわけではないが、燃焼効率が悪くなりそうであるし、そもそもダブルクリップがないとチタンマグが安定してのらないというのもスマートさに欠けるように感じる。

私としてはスノピチタンマグ450をミニマムなクッカーと位置づけており、もっとも装備を軽量化する際は「スノピチタンマグ450だけを携行し、クッカーは持って行かない」ということを考えているので、スノピチタンマグがのらないようでは出番がないかなという印象だ。

もちろん、底が広いクッカーであれば十分利用に値すると思う。

ひとつ目の自作五徳

①絶対壊れないステンレス・シンプル五徳 風防にもなるかもねゴトク

はこんな感じでした。

その他の自作については他の記事で書いていきたいと思います。

もしくはこちらの動画をご覧いただければと思います。

youtu.be

登山用ザックの修理 壊れたバックルを交換する方法

私の登山用ザック(karrimor(カリマー) クーガー 55-75)が壊れましたので、修理しました。

壊れたのはバックル部分ですが、「交換用バックル」というものが販売されていて、それと交換することで簡単になおせましたので紹介します。

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バックルの「オス側」が割れました

尚、同内容の動画もあります。

youtu.be

このバックパックは、かれこれ6年くらい使っているものですので、バックルが壊れてしまうのは仕方がないでしょう。プラスチック部品は、紫外線で経年劣化しますからね。

ですが、このままでは山に行けません。 なので部品を交換しようと思い調べました。

わかったことは以下2点

①カリマー純正パーツはネットで販売されていない

②「交換用バックル」なるものが販売されている

本来ならば純正品のパーツが手に入れば一番なのですが、ネット上では販売されていないようです。おそらく販売店からメーカーに問い合わせて取り寄せしないと手に入らないのでしょう。

次に「交換用バックル」なるものが販売されていることを確認しました。

今回破損したのは、雨蓋(あまがい)を固定するためのバックルです。

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雨蓋の「メス側」は輪っかになっている

破損したのは「オス側」のバックルですが、「メス側」のバックルは、”輪っか”になっているところに取り付けられています。

そのため、交換用バックルはこの輪に通せして固定できるものでないといけません。

どうやら日本ではこれに対応する「交換用バックル」はSEA TO SUMMITのものしか流通していないようですね。

これ一択です。

SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) リペアバックル 20mmサイドリリース1ピン 1700397

ストラップのサイズに気を付けてください。 カリマークーガーは幅25㎜でした。

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早速、交換したいと思います。

まずは、バックルの「メス側」の軸を抜きとる必要があります。 これを外して雨蓋(あまがい)の輪っかに通すという仕掛けです。

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バックルの固定用の軸はプラスネジで開け締めします。(小さめのドライバーが必要ですおそらく1番)

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ドライバーでネジを回すと軸が外れる。

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早速、取り付けてみます。

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ここで、既存の純正バックルは外さないでおきます。外すには破壊しなければいけないので、もしかしたら今後、純正パーツを手に入れたらカリマー純正バックルに交換するかもしれないからです。

一度、「メス側」のパーツを壊して外してしまうと、新しいパーツをつけようとしても、輪っかが縫い付けられているので、それを一度ほぐして、再度縫い付ける必要があり、面倒です。

それと、もう一つ確認しました。

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「交換用バックル」のオスが奇跡的に、純正バックルのメスにフィットするのではないか?と思いましたが、少しサイズが異なりはまりませんでした。

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さてさて、既存の純正バックルの下に「交換用バックル」を取り付けることが出来ました。既存の純正バックルが既についている同じ輪に通したので、少しきつかったですができました。

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バックルがダブルになっていて、少し見た目が悪いですが、機能的には回復しました。

「交換用バックル」の方が頑丈そうですね。

でも、やはり「純正バックル」の方がスリムでカッコいいです。

SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) リペアバックル 20mmサイドリリース1ピン 1700397

このように「交換用バックル」はドライバーだけで簡単に交換することが出来ました。ほかのバックルも交換部品があるようです。布が避けたりしない限りは延命できそうです。

登山用の大型ザックは安くないですからね。 修理できてよかったです。

なおその後、登山用品店でカリマー純正パーツの取り寄せができないか、問い合わせたところ「取り寄せ可能」とのことです。

値段も「500円くらい」とのことでした。 ですが、なんか「今は決算前で入荷が停止されている」とのことで、3週間以上かかるとのことです。

決算が過ぎれば1週間~2週間で取り寄せ可能だと思います。時間的に余裕があるのであれば純正パーツを取り寄せた方がいいかもしれません。

もしくは、これくらいの値段であれば一時的に「交換用バックル」でしのいで、その間に純正パーツを取り寄せてもいいかもしれませんね。

SEA TO SUMMIT(シートゥサミット) リペアバックル 20mmサイドリリース1ピン 1700397

テーブルの上の片付け研究 その4か月後 ~これは!?成功か?失敗か?予想以上に設計どおり~

荒れ放題だった我が家のダイニングテーブルを「エイヤ!」と重い腰を上げて片づけてから4か月が経過した。

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実は、それまでも私は幾度となく「エイヤ!」と片づけては、またしばらくするとすぐにモノに埋もれるという無限ループを繰り返してきた。

同じような経験をされている方も多いのではないだろうか?

私は前回の片付けでこの「負の無限ループ」ともいうべき”連鎖”に終止符をうつべく、このループ現象を解明し、対策を講じることにした。

それが4か月前のことである。

inmybase.hatenablog.com

溜まったモノたち、”堆積したモノ”たちを分類し、分析することで、溜まる原因がわかってきた。だがこれは同時に、自分の恥部を直視し、受け入れるという辛さがあった。

そのような痛みを乗り越え、私なりの「元に戻らない対策」を講じてから4か月が経過した。

今こそ、痛みを乗り越えて到達した”対策”の成否を検証すべき時である。

さてさて、またしても「荒れ果て、モノが堆積してしまっているのか?」それとも「“対策”により”負の無限ループ”を抜け出すことができたのか?」

片付け4か月後の現状と成否

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片付け4か月後 見事「理想形」が保たれている!

これがありのままの姿である。

「 成 功 」

今、私の脳裏にはこの二文字が踊っている!

意図したとおりの「理想形」が維持できているのである!

前回の記事を読んでなかったとしても、これが「理想形」であるということは誰しもが納得すると思う。

この記事を執筆している今、4か月前の記事の写真と現状とを見比べて、初めて本当に「成功した」ということを確信し、かみしめているのである!

「この程度のことで何を大げさな?」と思われる方もいるかもしれない。いや、この記事にたどり着く方ならわかってくれるのではないだろうか。

これまで、私は「整理整頓」や「片付け」に関しては、生まれてからほとんどと言っていいほど「成功体験」というものが無いのである!

いくら「エイヤ」と片づけてもどうしても「きれいさっぱり片づけた場所」が「元の散らかった状態」に戻ってしまうのである。

だが今回は成功した!

キレイな状態を長期間持続できた!

このことが単純にうれしい。

まさに何かを「克服」し、「成し遂げた」という感慨なのだ。

ちなみに、一応言っておくとこの現状写真にするために「特別頑張って片づけたり」「いつもはあるものを一時的に隠す」などということはしていない。

もちろん、一日の中でテーブル上にモノが散らかっていっぱいになることはあるし、それが一晩そのままということもある。

だが、少し片づければこの状態に復旧できるので、ほぼ毎日一度は「この状態にリセット」するという習慣が持続できている。

現状を細かく見ると...実は理想形のほころびが...

さて、感慨にふけるのはこの辺にして、今一度、冷静により細かく現状を確認したいと思う。

先ほどさんざん「成功」とはいったものの、実は「完全100%の理想形」は維持できていないという現状が実はある。

もちろん、それでも私の中では及第点(80点くらい)であるので十分「成功」であるとは考えてる。

では、満点の「理想形」との差は何かという点を確認していきたいと思う。

リモコンBOXの中身

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リモコン用BOXとしてそれ以外は入れないつもりだったが...

この箱は主に「リモコン隠し」を意図して、テーブルの上が視覚的に雑多になり、モノが散乱する状態を抑制するために意図的に置いたものである。

各種のリモコンはテーブル近辺で日々使うものなので、どうしてもテーブル上に残置されやすい。かといって「がんばって」他の場所にしまうようにしたところでどうせ長続きしない。

そのような自己分析から配置したBOXである。 だが、大きさ的に余裕があるので、リモコン以外にも雑多なものを放り込める「なんでもBOX」と化すだろうという危惧があった。

現状を見る限りその危惧はある程度当たっていたようだ。 箱の中身を全て出して分析してみる。 リモコン以外の使用頻度の低いものが放り込まれているのがわかる。

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リモコンBOXの中身を全て出してみた

まず、相変わらずの大量のペン類だ。 テーブルで使ったペンは大抵こういったところに放り込まれる。 それも見越して、数本はボールペンも入れておいたはずだが...いつの間にか数が必要以上に増えている。 おそらく、その他のものが邪魔をしてこのBOXに入っていることに気が付かず他所から毎度持ってくるたびに増えたのだろう。

その他にも雑多なものが放り込まれているが、ほとんどはここに置いておくべき必然性のないものなので、この機会にすべて元の場所に移すか破棄した。

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変なものが入っていた。これは女性用の「立ちション」をするための道具である。「アウトドアや災害時に!」と思って妻のために購入したが「気持ち悪い!」と相手にされなかった。失敗を認めて破棄することにする。

ただし、何本かのペンと目薬、スマホスタンドについては着席時に使うことが多いのとBOXに余裕があるので、このまま残留させることにした。

このように、無駄に容量の大きいBOXは本来入れるべきもの以外を用意に放り込める「なんでもBOX」と化すので、定期的に中身をチェックして不必要なものを排除するという作業が必要になるといえるだろう。 本当は用途に合わせて無駄なものを入れられないようなピッタリサイズが好ましいかもしれない。

とはいえ、以前のように何もない状態よりは「なんでもBOX」だとしても、箱があることで、「箱をはみ出してはいけない」という心理的な線引きができたと思う。以前は線引きがないために無限に書類やモノを積み上げてしまっていたし、テーブルの半分に達する勢いでモノを置いていた。

テーブル下書類BOX

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ファイルに入れずに突っ込まれた書類が見かけられる

次に、同じく4か月前に設置したテーブル下の「書類BOX」を確認する。 ほぼ変わらずの状態だが、やや書類のファイリングが滞っている。

本来はこのファイル自体も「保留ファイル」であり、最終的なファイリングは別のところでするという発想ではあるのだが...。

だが、この程度は大目に見たい。 以前のように紙を平置きするという整理整頓で最もやってはいけない行為を平然としていた状態から、書類を縦に突っ込むという正しい方向に向かっている自分をほめてあげようではないか!

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書類を平置きし、さらにその上に様々なものを置くという絶望的に片付かないサイクルの堆積

あまり完壁主義になると続かないというのも過去の教訓である。

冷蔵庫脇のチラシBOX

最後に、ゴミとなるチラシを収納するために設置した「チラシBOX」を確認する。

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何やらチラシや古紙以外のものも突っ込まれてあふれ出ている

ここは盛大にBOXから紙がはみ出ている上に、チラシごみや古紙ではないモノが混入しているようである。

子供用の座布団とビニール製の持ち手が付いた紙袋やホワイトボードが確認された。これらのせいでチラシが奥まで入らなかったようだ。

これらを除去したことでチラシ類がスッキリと収納された。 BOXの目的外使用については、家族各位に注意を促さなければならない。

その他にも謎のペットボトルなどの堆積物が確認されたので片づけた。

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割と簡単に「理想形」に戻すことができた

定期点検で「ほころび」を補修

片付け後4か月で現状を確認してみると、「理想形のほころび」とも言うべきポイントがいくつか見つかった。現状では許容範囲には収まっていたものの、このまま悪化すると理想形を大きく逸脱する可能性があったと思う。

今回、改めて「理想形」を意識してチェックすることで、それらは簡単に修正することができた。

大事に至る前に点検し、修正したからこそ簡単に片づけることができたと思うので、やはり定期的に「設定した理想」の状態からどれくらい外れているか?ということを確認することが必要だと感じる。

真の「整理整頓」というのは一度スッキリ整理してもそれは終わりではなく、維持し続けることが事なのだ。

片付け後に「理想形」を長期間維持できた理由

さて、最後にこのダイニングテーブル上の片付け後に、長期間にわたり「理想形」を維持できた理由を改めて確認しておきたい。

なにしろ、私の30年ほどの生涯の中で、ここまでの長期間にわたって、片付け後にその理想形を保ったことは記憶にない。

成功の要因を確認することで、今後の家内の整理整頓の確かな道しるべとするのだ!

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成功の理由は「堆積したものから堆積した理由」を分析し対策を講じたこと

成功の要因を自分なりに分析すると以下の三点に要約できる。

  • モノが溜まる原因を堆積物の種類ごとに分析したこと
  • モノが溜まらない対策を講じた
  • わかりやすい「理想形」をつくった

まず成功の要因は、なんといっても「モノが溜まる原因をつきとめ、対策を講じた」ということにあるだろう。

片づけても片づけてもまた元通りになる、またモノが溜まってしまうという片付けの「リバウンド現象」とでもいえよう現象が発生するということは、やはり何らかの必然的にそうなる原因があるはずなのだ。

私は4か月前の片付けで、その溜まったモノ=堆積物を分類し、それぞれの種類の堆積物がどういった理由でそこに溜まってしまったかということを丁寧に分析し、解明した。

モノが溜まる理由さえわかれば、溜まらないようにするための方法は自ずと見えてきた。例えば、広告チラシが溜まるようなら、広告チラシを入れるためのBOXをテーブル近くに配置したり、書類が溜まるようならば書類を保管するためのファイルをテーブル下に配置した。

原因を分析⇒対策というのは考えてみれば当然のことであるが、なぜか家内のこととなるとこれができなかった。だが、「エイ!」とやってみれば結果は一目瞭然、溜まらない仕組みができているので、無理なくテーブル上を正常に保つことができた。

そして、「わかりやすい『理想形』をつくる」ことで、たとえ一時的にテーブル上にモノが溜まってしまったとしても悩むことなく、自然とテーブル上をリセットできるようになった。

家族も理想形がわかっているので、そこに向けて「寝る前にちょっと片づけよう」とか「自分のものはテーブル上から移動させる」という協力が得られるようになったのが大きい。

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テーブル上はティッシュBOXとリモコンBOXだけ!という家族全員が共有できるシンプルな理想形を設定したのが良かった

考えてみれば当然の結論ではあるが、「モノが溜まる、散らかる」ということには必ず原因がある。その原因を取り除かずにいくら片づけたところで、必ず元どおり=リバウンドしてしまうのだ。

そして、少しの日々の心がけ、ちょっとの「維持の努力」を続けられるような「理想形」をつくることが大切だと考える。

【登山用燃料】アルコールストーブの良さと欠点 そして私の使い方

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登山用の燃料にはいくつかの種類がある。 ガス(OD缶/CB缶)・アルコール・固形・ガソリンなどだ。

私はこれらのうちガス(OD缶)、アルコール、固形燃料をソロ登山用に使っているが、それらの燃料にはそれぞれにメリットデメリット含め特徴があるので、その時々によって使い分けている。

今回はそのうちアルコールストーブの利点と欠点を整理し、ガスや固形燃料との私なりの使い分けについて書きたいと思う。

アルコールストーブの良さ・利点(メリット)

静かさ

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アルコールストーブの最大の利点を言うならば、私は「静かさ」ということを挙げます。 アルコールストーブの燃焼音は、とにかく静かです。というか最初の着火時の「ボッ」という音以外はほとんど無音だといっていいでしょう。

一方で、ガスバーナーなどは高圧のガスを噴出させる音に燃焼音が加わり「ごぉおおお」とものすごい音がしますよね。 音は高出力なものほど迫力がでてきます。

静かな山ではこれは結構ひびきます。 ガスの燃焼音というのはなにか人為的な音といった感じで場違い感が私にはあります。山で電話の着信音をききたくないのと同様の感覚です。

アルコールストーブではそういったことがないというのが最大のメリットなのだと思います。(というか他のメリットが弱いということもある)

燃料が分割・継ぎ足しできる

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アルコールストーブの燃料である「燃料用アルコール」は、液体でボトルに入っているだけですので、簡単に他の容器に移し替えたり、つぎ足したりすることが可能です。

常温ではガソリンのような危険性はありませんので、例えこぼしてしまったとしても大丈夫です。

これにより、ガス缶のように半端な残量が缶に残ってしまったり、そのために缶を二つ持って行かなければならず重量・荷物ともに無駄に増えてしまうという問題がありません。

このことは、案外見逃されているガス缶のデメリットであると同時にアルコール燃料の大きな利点であると思います。

特にできるだけ荷物の重量と体積を減らしたいソロ登山のテント泊のときなどは、必要最低限の燃料とボトルだけを持って行くことができるのは大きなメリットです。

燃料が意外と安くて入手性がいい

「燃料用アルコール」はドラッグストアでの購入が一般的です。

扱っていない薬局やドラッグストアもあるのですが、かなり高い確率で置いてあります。アウトドアショップやホームセンターでないと購入できないOD缶に比べると街中での入手性はアルコール燃料の方が高いといえるでしょう。

そして、中でも”ケンエー”こと健栄製薬のアルコール燃料は結構安いのです。 500mlで300円弱といった値段です。 燃費は風の強さや風防の有り無し、気温などで変わってくるのでここではガスとの燃費計算などはしませんが、250gで400円程度するOD缶に比べるとお得感があります。

ネット通販だと送料の関係で少量だと高くはなるが、単価はドラッグストアより安い。

器具が軽い・故障しない

f:id:yosuke-kun:20190228104548j:plain アルコールストーブは器具がシンプルで軽いというメリットがあります。 アルコールストーブは、見ればわかる通り、言ってみれば「穴の開いた単なる容器」なのです。アルコールを注ぎ込んで燃焼させるだけという構造なので、故障するということがありません。

また、エバニューのチタンアルコールストーブなどは重量30g台と非常に軽量です。

着火装置やガス調整つまみや折り畳みゴトクなどで構成させるガスバーナーは機械的な構造があるためどうしても故障のリスクがあります。 万が一山中で故障ということになるときついですよね。

その恐れがないというのは一定の安心感があります。

また、アルコール燃料はそれ単体で燃焼させることもできますから、アルコールストーブを紛失したとしても、空き缶のような容器に入れて燃焼させたり、枯れ枝にかけて着火剤にするなどの使い方もできるという汎用性の高さもあると思います。

氷点下でも火力が落ちない

f:id:yosuke-kun:20190228104434j:plain アルコールは、ガスのように気温が下がっても火力が落ちる、弱くなる、着火できないということが起こりません。 ガスOD缶の場合は、寒冷地用の”パワーガス”といえども0度を下回る環境だと、どうしても火力が弱まってしまったり着火しないという現象が起きてきます。

春・秋の山でも、朝方の気温は氷点下になることも珍しくありませんが、アルコールストーブであれば、朝方でも変わらない火力で使うことができます。

アルコールストーブの弱点・欠点(デメリット)

風に弱い

f:id:yosuke-kun:20200629115807p:plain 次にアルコールストーブの欠点を列挙していきたいと思います。 アルコールストーブの最大の欠点は、何といっても風に弱いということです。

圧力をかけてガスを噴射するガスバーナーに対して、アルコールストーブは単にゆらゆらと燃焼するだけです。そのため、アルコールストーブは微風ですら炎が揺らされて火力低下につながってしまいます。

アルコールストーブが「火力がない」と表現している場合がありますが、私はそんなことはないと思います。無風化ではお湯を沸かすのに十分実用的な火力があります。ですが先ほど述べたようにガスと違ってとにかく風に弱いというのがアルコールストーブの弱点なのです。

そのため屋外などの風のある環境下では、風防(ウィンドスクリーン)が必須となります。

風防がないと強風下では着火しませんし、微風で着火したとしてもお湯を沸かすのにえらい時間がかかってしまいます。時間がかかるということは同時に消費する燃料も多くなってしまいますので、せっかくアルコールストーブ自体が軽量だとしても燃料をたくさん持たなければならず結局はガスより重いということになってしまいます。

そのため風防は必ず用意した方がいいのですが、それは同時にまた、荷物が増え、重量が増えるということでもあります。そうするとせっかくのアルコールストーブの軽量性が損なわれてしまいます。

なので私はアルミホイルで簡易風防としています。

火力調整ができない・消化できない

f:id:yosuke-kun:20190228104420j:plain アルコールストーブは炎を簡単に消すことができませんし、火力調整もできません。

トランギアのようにふたのついているものであれば蓋を閉めることで消化ができますが、エバニューチタンアルコールストーブなどフタがないストーブの場合は、アルコールが燃え尽きるまで待つしかありません。(カップをかぶしたり水を入れるなど強引に消すことはできるが基本は燃え尽きるのを待つ)

そのため、燃料を無駄にしないためには、湯を沸かすのであれば沸かす水の量から必要なアルコール量の見当をつけて初めにアルコールを注ぐというある種の「熟練」が必要になります。

すぐに消せないという弱点は例えば急な雨が降ってきたときなどすぐにその場を離れなければならないときなどにも困ります。

火が見えない恐怖感

アルコールは日中だとほとんど火が見えません。よく目を凝らすとユラユラとした透明なカゲロウで火が起きてるということがやっとわかります。もしくは、手をかざしてみてちゃんと燃焼しているか確認する必要があります。

アルコールは燃焼音もありませんから、さらに火が見えないというのは、誤って触ってしまったり事故を起こしそうでちょっとした恐怖感があります。

テント内で使えない

アルコールストーブは燃焼中はどんどんアルコールが揮発して、次々に燃焼しています。ですが、揮発したアルコールには完全には燃焼しないものもあるのです。そのため、テント内でアルコールストーブを燃焼させると、燃焼しなかった気化したアルコールが目に入って痛くて目が開けられないほどになることがあります。

ガスバーナーの場合は、ほとんどすべてのガスが燃焼するようでこういった問題は起こりません。

テント内でストーブが使えないと雨で停滞している場合に困ります。 かといって雨の中外で使うわけにもいかないので、テントの入り口を大きく開けて何とか使えるといったところです。 この方法だと風が強い場合は雨が吹き込んできてしまうため厳しいです。

実は別売りの五徳(ゴトク)も必要

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これは100均材料で作った自作五徳
アルコールストーブは実は五徳(ゴトク)も別途準備する必要があります。 なので、実はアルコールストーブの本体重量がいくら軽くても五徳が重かったり、ウィンドスクリーンが重いと軽量性のメリットは消滅してしまうのです。

五徳(ゴトク)はアルコールストーブの専用品から汎用品までいろいろなものがありますが、1,000円以上するというのも地味に痛いです。

なぜ、どんなときにアルコールストーブを使うのか

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ここまでアルコールストーブの良さと欠点を列挙してきました。

アルコールストーブは欠点に着目すると、とにかく面倒な代物であるということがご理解いただけると思います。

アルコールストーブは、ガスバーナーのように「つまみを回してボッ」というように便利に使えるものでは決してありませんし、風にも弱いので風防を用意するなどなかなか「手間のかかるやつ」です。

はっきり言って、単に「お湯を沸かす」といった目的だけで考えるのであれば、圧倒的にガスバーナーの方が何も考えずに楽に目的を達成できるのです。

ですが、場合によってはガスバーナーよりもアルコールストーブを積極的に使いたくなる場面があります。

例えば、よく知っている場所で時間的、精神的な余裕がある場合、かつ1人分の湯沸かし調理をするだけならば、いくらかの面倒があったとしてもさほど苦にはなりません。

これが複数人だと、たとえ友人だとしても気を使ってしまって「ゆっくりアルコールストーブで湯沸かし」というのができないかもしれません。

1人であれば多少面倒があったりしても、誰に気を使うこともありませんから私はむしろ面倒な思いをしてもアルコールストーブの「静かさ」や「軽量さ」というメリットを存分に享受したいと考えます。

それにやはり、静かな山でガスバーナーの「ごぉおおお」という音はちょっと場違いな感じがします。言ってみれば「無粋」だと思います。

ガスバーナーの燃焼音はやはり何か都会的というか人為的な音に感じます。

登山の目的は人それぞれではありますが、私は自然環境に身を置くという体験に価値があると思いますので、その環境をできるだけ崩さないような道具がいいなと思うのです。

ここまで言うと、アルコールストーブは結局のところよく言う「男のロマン」という結論になってしまいますが...。

ですが、やっぱりアルコールストーブの「ゆらゆらとした青い炎を静かな山の中で眺める」というのは登山の楽しみの一つなのです。

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【 登山用燃料】ガス(OD缶)の意外と知らない欠点と私の使い方

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登山用の燃料にはいくつかの種類がある。 ガス(OD缶/CB缶)・アルコール・固形・ガソリンなどだ。

私はこれらのうちガス(OD缶)とアルコール、固形燃料をソロ登山用に使っているが、それらの燃料にはそれぞれにメリットデメリット含め特徴があるので、その時々によって使い分けている。

この中で最も一般的なのは登山用のガスであるOD缶だろう。 だが、OD缶のガスには意外と認識されていない欠点がある。

もちろん、他の登山用燃料に比較すれば大したことない欠点かもしれないが、時と場合と趣味趣向によってはこれらの欠点は他の燃料との使い分けのポイントになってくるので、ガスバーナー(OD缶)の欠点について整理してみたいと思う。

最も一般的な登山用燃料 ガス(OD缶)の利点

登山用の丸っこいガス缶、通称OD缶(OutDoor缶の略たぶん)は登山用の燃料としては最も一般的だと思う。

使い方も簡単で、ガス調整つまみを回して着火する。 火力も調整できるし、すぐに消化できる手軽さは家庭用のガスコンロに最も近く、手軽で使い勝手が非常にいいのが特徴だ。

登山用品店でもOD缶用のガスバーナーは最も目立つところにある定番商品であり、プリムス、スノーピーク、EPIガス、SOTO等アウトドア用品各社がそれぞれ数種類のガスバーナー、ガスストーブを販売しており、選択肢が幅広い。

主に軽さと火力の大きさによって数種類のモデルが設定されており、自分の登山スタイルにあった商品が選べる。もちろん”軽量性”と”火力”はトレードオフの関係となっており、軽量であれば火力が小さく、高出力で火力があれば重量が増える傾向にある。

また、燃料のガスが入ったガス缶(OD缶)も登山用品店だけでなく、ホームセンターなどでも購入できることが多いし、山小屋やキャンプ場などの売店でも取り扱っていることが多いので入手性もそれほど悪くない。

そして、ガス缶も内容量によってサイズが大500g・中250g・小110g、使える温度領域によってノーマルガス(10℃くらいまで)、パワーガス(0℃くらいまで)、ウルトラガス(氷点下)などの選択肢がある。

まさに、登山用の燃料としては最もど真ん中であり、スタンダードであり、使い勝手のいいオールラウンダーな燃料であるように見える。

しかしながら一方で、ガス(OD缶)にもいくつもの”欠点”があることをご存じだろうか。

OD缶のガス燃料を使ったガスバーナーを完全無欠の万能選手だと思って使うとがっかりすることがある。

もちろん、他の登山用燃料に比較すれば大したことない欠点かもしれないが、時と場合と趣味趣向によってはこれらの欠点は他の燃料との使い分けのポイントになってくる。

ガス(OD缶)の欠点(その1)寒いと火力が弱くなる

これはOD缶だけでなくCB缶にも言えるガスに共通の欠点であるが、ガスは寒い場所だと火力が弱くなってしまう。これは缶の中で液化されているガスが気温が低いと気化しなくなってしまうこと、そしてガスが燃焼することで気化することそれ自体が周囲の熱を奪い、缶を冷やしてしまうことが原因だ。

寒冷地用のパワーガスというものがあるが、実はこういったガスでも10℃以下の環境で燃焼を続けるとガスの気化による温度低下で徐々にパワーが落ちてきてしまう。(この現象は「ドロップダウン」と呼ばれている)

寒いからこそガスでお湯を沸かしたいのに、燃焼が弱いとか着火しないというのは燃料としては問題である。

しかし、対策がないわけではない。 要はガスが気化する温度まで温めればいいのである。

例えばホッカイロなどを缶の底に貼りつけたり、お湯を沸かしている場合はある程度温まったお湯を缶にかけることでガスの気化が促進されて火力が回復する。ただ、お湯をかけてもすぐにまた冷えてしまうので、水が貴重な山では使いづらい方法かもしれない。

一方で、根本的な解決策として、より気温が低くても気化する沸点の低い種類のガス(プロパン・イソブタン)を充てんした「ウルトラガス」という製品もある。このガスを使えば氷点下の環境でも火力が弱くなりづらいはずだ。ただし高価。

AmazonPRIMUS(プリムス) ウルトラガス IP-250U

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ガス(OD缶)の欠点(その2)半端な残量のガス缶

寒冷地でのガスの弱さというのは割と知られているが、ガス缶の欠点としてあまり気が付かない盲点的なものがこれだ。

ガス缶は燃料の詰め替えができない。

(実際には物理的にできないわけではない。次のような器具を購入すればOD缶同士でガスを詰め替えたり、CB缶のガスをOD缶に詰めることができるが自己責任である。【ガス詰め替えアダプター】カセットボンベ(CB缶)からアウトドア用ボンベ(OD缶)にガスを詰め替える

ガス缶は燃料の詰め替えができないので、中途半端な残燃料があるときに困る。足りなそうだと思ったら缶を二つ持っていくか、新品の満タン缶を持っていくことになるが、そうすると燃料の重量と体積の増加になる。

しかも、満タンの缶は明らかに必要ないであろう日帰り登山などでも、満タンの缶しかなければそれを持っていくしかない。

つまり、かなりの確率で無駄な重量や体積を担ぐ必要が出てくる。

ここで重要なのが缶の重量である。 空のOD缶は250缶で150g、110缶でも110gもあるということをご存じだろうか。

余分な燃料ガスを運ぶ分には、予備の燃料として使えるので、もしかしたら使うかもしれないのでしょうがないと思えるかもしれないが、缶自体の重量は純粋に無駄だ。

ガスバーナー自体が最軽量で50g台、スタンダードなものでも100g前後なのにもかかわらず、実は缶だけでこの重量なのは困る。

この問題はガス缶特有の根本的な問題で、対策は上述のグレーな詰め替え器具しかない。

一方で、アルコールや固形燃料は、容器を非常に軽くすることができる上に燃料の継ぎ足しや分割が自由にできるため、常に必要量だけを持ち歩くことができる。

ガス(OD缶)の欠点(その3)うるさい

私が考えるガス燃料の最大の欠点は、その”燃焼音”だと思う。 ガスバーナーは勢いよく噴き出るガスを燃焼させる器具だ。 そのため、燃焼時は「ゴォオオー」と結構な迫力があるサウンドが周囲に響き渡る。 この音がかなり「うるさい」と私には感じる。 静かな山の中でこのガスの燃焼音は、言ってみれば”無粋”なのだ。

せっかく都会の喧騒から離れ、自然音しか聞こえない環境に来ているのにこのガスの燃焼音は町の中の生活音とか工業的な騒音といった音であるのが良くない。

仕方がないといえばそうなのだが、やはり気になる。 私がアルコールストーブを購入した最大の理由はこのガスの燃焼音である。

ガス(OD缶)の欠点(その他)

ガスOD缶については他にも下記のような欠点を指摘する方もいる。

・圧電着火装置が故障しやすく、高山帯や寒冷地では作動しにくい。 ⇒私はあった方が便利だと思うが軽量化を目指す人にとっては省くべきという考え方

・出先でのガス缶の入手性が悪い。 ⇒行く場所によると思う。

・飛行機にガス缶は載せられない。 ⇒行く場所によると思う。現地調達できれば問題ない。

ガス(OD缶)を使う場面

いかがだっただろうか。 これらの欠点はガスバーナーを購入する時点ではなかなか気が付かないモノだと思う。

特に「半端なガス残量」問題と「うるさい」問題というのは、対策が困難なガスOD缶に特有の根本的な問題だ。

これらの問題が気になる方には、アルコールストーブや固形燃料をおすすめしたい。

かといって、アルコールストーブや固形燃料にもガス以上の欠点、弱点があるので、結局のところは火器や燃料の特性に合わせて「使い分ける」ことになる。

では、私がガス(OD缶)のガスバーナーを使う場面はどんなときかというと、次のような時だ。

ガスの利点は手軽な点である。 すぐ着火できて、火力調整や消化が容易である。

なので私は、時間がない登山や余裕のない登山の際にガスバーナーを持っていく。

スケジュールが忙しいような日帰り登山ではサッと調理して、すぐ食べられる方がありがたいし、初めて行くような山の場合は時間的な余裕や精神的な余裕を作るためにも面倒の少ないガスバーナーを持っていくことにしている。

また、火力調整ができて高火力なガスは、お湯を沸かすだけでない煮る・焼く・炊くなどの調理を数人でするときにも適している。というかそういう場合はガスでないと厳しい。

一方で、時間的な余裕があったり、よく知っている山に行く登山では、軽量化でき、静かなアルコールストーブや固形燃料を持って行くという使い分けに落ち着いてきた。

登山をはじめてルンルンでいろいろな装備を買い集めていたときは、「どのバーナーが最強か?」とか「どの燃料が一番燃費やコスパがいいか?」 などといったことをブログや動画をみあさって妄想し、検討に励んでいたが、実際にいろいろな燃料を使ってみると、結局のところ「一長一短」であり、それぞれの燃料の特性に応じて場面によって使い分けるのがベストであるとのごくごく当たり前な結論に落ち着いた。

【書籍紹介】実は意外と合理的?「海賊の経済学」

最近読んだ面白かった本はこれ

カリブの海賊たちの行動を経済学で分析、説明するというもの。 経済学といってもGDPとか経済成長率うんぬんといったマクロ経済学ではなくて、特定の市場とかその市場の参加者の行動を分析するミクロ経済学的な考え方で”海賊”の行動を解き明かすというのがおもしろい。

経済学をやったことある人ならすんなり理解できるし、「へぇ~そんな風に分析できるのか!」と教科書では退屈だった理論も楽しく理解することができると思う。

もちろん経済学をやったことない人でも、詳しく説明されているので特に問題なく読めると思う。 もちろん数式なんか出てこない。

~「訳者あとがき」より~

本書はインセンティブプリンシパル・エージェント問題、ガバナンス問題、フリーライダー問題、 意思決定コスト、規制緩和シグナリングブランディングといった経済学の概念を非常にわかりやすく説明してくれる。

この本は2011年とちょっと前の本だけど、最近ニコ生で見た岡田斗司夫の解説がおもしろくておもしろくて、すぐにAmazonでポチってしまいました。(後々になって本棚の中からもう一冊見つかる...そういえば昔買ってたわ)

youtu.be

岡田斗司夫の解説はほんとおもしろい。 YouTubeでも前半は見られるけど後半はニコニコ動画の有料チャンネル登録が必要

岡田斗司夫ことオタキングはほんと凝り性なので、本書だけではなくて、他にも海賊関連の書籍を読み漁って解説しているのでより面白いのだと思う。

オタキングが紹介している海賊に関する参考文献についてもあとでまとめたいと思う。

正直、岡田斗司夫の解説を聞いてしまうとそれ以上は蛇足なような気もするけど、自分なりにも本書についてまとめてみたいと思う。

章ごとに内容の”要約のようなモノ”とコメントをつらつらと書いていく。

それと思いあまって作ってしまった解説動画も貼ってあるのでよかったら見てほしい。

第1章 見えざるフック

もちろんアダムスミスの「見えざる神の手」をもじってるわけですね 本書で取り上げる海賊が「カリブの海賊」たちであることや経済学の基本的な前提である「合理的な行動」の前提とかについて触れています。

第2章 黒ヒゲに清き一票を 海賊民主制の経済学

「黒ヒゲ」とは、あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」の「ジャックスパロウ」船長のモデルになった有名な海賊「エドワード・ティーチ」の通称であり、もはや海賊の代名詞である。

私たちは、海賊ときくとディズニー映画の印象を強く受けていると思う。 パイレーツオブカリビアンのジャックスパロウやピーターパンのフック船長だ。

ジャックスパロウはイカれてるし、その他の海賊は暴力的だったり、アホだったりという印象だし、フック船長なんかもなんか偉そうで独裁者的に描かれている。

でも、本当のカリブの海賊たちは実は非常に「民主的」だった。

例えば、海賊船の船長は選挙でえらばれるし、いつでも投票で解任されちゃう。 さらに、船長室なんかは他の船員が誰でも入れる共有スペースだったし、船長は船室がなくて他の船員と同じようにハンモックで寝てるのが普通だった。

しかも船長の権限は、戦闘時の指揮にほぼ限定されていて、略奪品の分配とか日々の食料の配給、それに懲罰などは「クウォーターマスター」という役職に権限が分散されていた。しかもこの役職も投票で選ぶ。

これなんかは完全に「分権制」である。

ちなみに彼ら「カリブの海賊」たちの全盛期は1700年代の初頭であって、フランス革命の半世紀も前に実は海賊船では平等で民主的な政治体制がとられていたというのが興味深い。

そして、海賊のような犯罪者集団がなぜこのような民主的な制度を採用しえたのか? ということについて経済学的な説明を試みている。

この矛盾を解くキーワードは経済学の用語「プリンシパル・エージェント問題」だ。 これについて詳しく説明すると長くなるので、それは私の動画か本書の内容で確認してほしい。

当時の海賊たちの前職は商船の船員であることが多かった。 当時の商船というのは船長が独裁者みたいなもんで、仕事の割り振り、食料の配給、そして船員への懲罰などほぼ無制限の権限が与えられていた。

これは船の所有者に代わって、船長が船員たちが不正をしたり、怠けたりしないよう監視し、指示に従わせるためだった。

だけど、このような強い権限の副産物として船長は権限を濫用することが多かったようだ。 むやみに船員に暴行したり、難癖をつけて給与を減額して私腹を肥やしたり、食料を少なくしてコストを減らしたりと、結構非道なことをしていた。 この状況は「社長がオーナー一族である超絶ブラック企業」を想像するといいかもしれない。

一方で海賊船には所有者がいなかった。 なぜならば海賊船そのものの盗んだものだったからだ。 そのため船員を見張るための船長は必要がなかった。 船員は皆、利害を共にする運命共同体だ。 「従業員全員が株主でありオーナー」という会社を想像するのがいいかもしれない。

だから強権的な船長なんて必要ないし、むしろそういった独裁的な船長に虐げられ、収奪されていた元商船の船員が多かった海賊では、できるだけ船長の権限を抑制しようとした。

でも、戦闘や逃亡には瞬時に判断ができる指揮官が絶対的に必要だ。 そこで生み出されたのが「海賊民主制」だった。

海賊たちは民主的な制度の採用により、船長の権限を抑制しつつ、船長というリーダーを作ることに成功し、海賊という「ビジネス」を効率的に遂行することができるようになったのだった。

海賊たちが「民主的な制度」を採用しえたのは、何も海賊たちが啓蒙思想を胸に抱いていたかじゃなくて、「船には所有者がいない」(よって「プリンシパル・エージェント問題」がないので船長に権限集中が必要ない)という経済的な条件によってであったというのが本章の結論である。

「盗んだ船だからむしろ民主的」という結果は、とても興味深いものがある。

youtu.be

第5章

youtu.be

【どうでもいい話】「ゆるキャン」をみてみた感想

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キャンプという遊びに新たな客を大いに取り込んだであろう話題の(というか今更なのかな)アニメ「ゆるキャン△」を3話まで観てみたので感想。

まぁ一言で言えば「女の子たちが文字通りゆるくキャンプする」アニメである。

それ以上でもそれ以下でもない。

山梨県の高校の「野外活動サークル」に集う女の子たちがキャンプをする。

山梨県が舞台ということで富士山周辺の有名キャンプ場が登場する。

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おそらく「ふもとっぱらキャンプ場」が元ネタと思われるキャンプ場が登場(第3話)

毎回、少しずつ「キャンプあるある」とか「キャンプ豆知識」的なものは挿入されるが密度はかなり低い。

どちらかといえばキャンプというよりは、「かわいい女の子たちのキャンプ」がメインのようですね。

ちょこちょこ見覚えのあるシルエットのギアや道具が出てくる。こういった道具をアニメで見るのは初めてなので新鮮ではある。

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”SOTO”ではなく”SOLO”のガスバーナーですね

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ご当地名物「信玄餅」とか出てきたけどローカルすぎるないか(笑)

まぁ正直、おじさんには「ゆるすぎ」るようです。

Amazonプライムで無料で見れるので、少し見てみるかくらいのノリで見てみました。

1クール分12話全部がAmazonプライム会員は無料で見られます。

ちょっと気になる人は、ちょっとのぞいてみるといいと思います。

「まったり」とした女の子たちのアニメが好きな人には、キャンプ経験問わずおすすめできると思います。

ゆるキャン△

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私的には、「スライムに転生するやつ」のほうがおもしろかった。

転生したらスライムだった件

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