【災害備蓄の盲点】備蓄品の中で意外と高い燃料の優先度
災害時のための備蓄品を考えていて、意外と考えが足りなかったなと思ったことの一つにカセットガスボンベなどの”燃料”の備蓄があります。
水は食料はまず最初に意識がいくもので、備えている人が多いと思いますが、燃料については案外備蓄量が少ない人が多いのではないでしょうか。燃料がないといくら水や食料があったとしても調理することができません。
特に冬場の災害時に、普段のように暖房が使えない状況では、温かい食べ物や飲みものを食べられないということは体温維持が難しく危険な状況に陥ってしまう可能性があります。
意外と高い燃料の優先度
場合によっては水>燃料>備蓄食料
災害時の備えとして水と食料を備蓄している人は多いと思います。ですが、カセットガスをはじめとした調理用の燃料についてはどうでしょうか。水や食料ほどは意識している人が少ないと思います。
ですが、場合によっては燃料の方が食料より大事になる場合も出てくるかもしれません。
生鮮食品は腐敗する前に調理する必要がある
例えば、食品の中には火を通さないと食べられないものが多くあります。米と野菜、肉・魚などの生鮮食品は火を通さないと食べられません。生鮮食品は、電気が止まり冷蔵庫が動かなくなればすぐに腐敗が始まります。夏場などは特に足が早いです。
なので、発災直後には調理なしで食べられる防災用の食品などは後回しにして、普段の食事用として買っておいた生鮮食品を優先的に食べた方が無駄がありません。
こういった状況では、備蓄している防災用の食品よりも調理をするための燃料の方が重要になってきます。
防災用食料よりも米を炊けることが重要
防災用の食料というものは、そのまま食べることができたり、お湯だけで調理できたりと被災時には非常に便利ですが、かなり割高なものです。そういった使うかどうかわからない高価なものを大量に備蓄するのは気が引けます。
ですが、お米は10kgくらいは置いているという家庭は多いのではないでしょうか。
米は保存がききますし、普段食べている主食です。特別な防災食品がなくとも米が炊ければそれだけで数週間食いつなぐことはできるのではないでしょうか。
炊飯に必要なのは水と燃料です。
水は最重要物資ですから、支援が来るのも早いですし、大量に備蓄している人も多いと思います。ですが燃料を大量に備蓄している人はあまりききません。
燃料がなければ、たとえ米が大量にあったとしても食べられないのです。一方で米は主食ですから、10kg以上を常備しているという家庭は多いように思いますが、それらを炊くための燃料は不足していることが予想されます。
つまり、水と米の備蓄量と燃料備蓄のバランスが悪いように思うのです。
どんなに水と米があったとしても燃料がなければ炊飯をすることができません。
燃料の備蓄が少ないと、既に宅内にある”生米という保存食料”を活かすことができないのです。
冬は体温保持が優先
「災害はいつ起こるかわからない」
地震災害はいつ起こるか予想がつきません。今日かもしれないし、明日かもしれない。夏かもしれないし冬かもしれない。
もし冬に災害が起こった場合は、体温を保持することが重要になります。当然ながら人間は体温が保たれなければ生命の危険がありますし、体温が低下すると免疫力の低下につながります。被災しているさなかに体調を崩してしまってはより厳しい状況に陥ることになります。
冬の災害の場合は当然ながらエアコンなどの電気を使った暖房が使えない可能性が高いです。暖房器具がなければ冬場は東京でも0℃近辺まで気温が下がることもあります。
そういった状況で効果的に体を温めるためには、温かい飲み物や食べ物で体の中から温めることが効果的です。そのためには必ず何らかの燃料が必要になってきます。
もちろん、燃料がなくとも何らかの食物をとることでも体は発熱することができます。ですが燃料がない場合は、冷たい水を飲むことになってしまいます。水は非常に熱容量の大きな物質ですので、体の熱を大きく奪い取ってしまいます。
人間は何も食べなくても数日間は生き延びることができますが、体温が低下すると数時間で死亡することもあります。そういった状況では食料よりも燃料の方が重要度が高まる可能性があるかもしれません。
食料があるよりは燃料があって温かいお湯を飲める方が、冷たい水を飲むことによる体温低下を避けて効果的に体温が保持できるかもしれません。
もちろん燃料と食料が両方ともあることが最善であることは言うまでもありませんが、燃料が食料と並ぶほど重要だという認識を持つことが大事だと考えます。
まとめ
- 水と食料だけでなく”燃料”も需要な備蓄品である
- 燃料がなければ生鮮食品は調理できない
- 燃料がなければ米を炊けない
- 燃料がなければ冬場は体温保持が困難
水と食料を備蓄したら、燃料も備蓄しましょう!
災害はいつ来るかわかりません。
「そのとき」は明日かもしれません。
今なら何でも手に入ります。
「いざ」というときになってからでは何も手に入りません。
気がついた時が行動するするときです。
家族を守るために今、行動しましょう!